見て、聴いて、出会って(1)
越冬セミナー


ボランティアの感想 by 水谷有希

 一番初めの日の朝、どこだったかなあ?とすごーく不安だった。でも何とか福信館につくことができた。そしたら、とし子先生が出てきたから一緒に上に行った。朝は、ホームレスのおじさんたちの事を名炊会の松本さんにスライドとかで話してもらった。私が一番ショックだったのは、かそう場でもう、燃やしちゃった死体の骨がこなごなになっていたことだった。最初見たときは、何がうつってるかわからなかった。なんで名古屋市や日本の政府は野宿労働者を減らす運動をしないんだろう?減らすどころかわけのわからない人を困らす事だけに税金を使っているのは許せないと思った。税金をたくさん使うならもうちょっといい事に使ったらいいのに。一体何を考えているのかわからない!自分たちだって『リストラ』になればすぐに野宿労働者になっちゃうのに人に気持ちを考えないのかな?そして夜の炊き出しで公園についた時は超ビックリした。予想をはるかにこえるおじさんたちの人数。そして言っちゃいけないけどあのにおい!最初の日はもう耐えられなくて、明日から大丈夫か心配だった。でもいつも月曜日と木曜日に炊き出しに行ってる人に比べればいい方だと思う。そして次の日の『もちつき大会』もちをちぎるのがすっごく楽しかった。あの日はおじさんたちがたくさん来てて交流が深まったよい日だと思った。でもやっぱりつかれて部屋でじゅくすいをしてしまった!おきてからは仕分け作業をやってマイカーで遊んでいたら事故発生。すっごく痛かった。2日目の炊き出しはなれて(少しだけ)だいぶ手伝いができるようになった。私の係はお茶を渡すのが仕事だった。でもあんがいお茶を飲む人が少なくてちょっと残念だった。そして3日目の最終日。朝、千種駅から歩いてくると山田さんがいた。私は『あの人きのういた』と思っておじさんに「おはようございます」と声をかけた。でも、おじさんはあまりわかんなかったらしく「はっ?」って感じで一応頭をさげてくれた。それから、福信館について外でふとんを干していたら、山田さんはさっきの事がわかったらしく「さっき通ったねー。」としゃべりかけてきた。それで夕方に関屋さんの話があった。関屋さんの話は、すこしむずかしくて私には理解できなかった。それで次にホームレスのおじさんの生の声が聞けた。これは、すごく良かった。私が思うには、本当はおじさん達は自分がこんな生活をしているなんてあまり話したくないと思う。絶対みじめになる(私なら)ホームレスのおじさんたちがウソをついてしまうのも自分がみじめになるのがイヤだからだと思った。そして、全体的な感想をまとめると、炊き出しの時にあげているご飯をはいちゃう人がいるっているのと、政府の税金使い道、そして、普通の市民の人々のホームレスの人たちにする態度とか見方がちょっといけないと思った。このボランティアに参加する前はイヤだなとかこわいなとか内心思っていたけどこのセミナーに出てから、見方が変わってきた。おじさんたちは、すごくいい人ばっかりで楽しかった。だから、また今年も参加できるといいです。


たきだしをおえて、私の気持ち by 戸田有美

 12月に3日間だけ私はたきだしというボランティアをしました。このたきだしは福信館というところに集まって南山大学の人たち、南山高校の人、聖霊高校の人たちと先生達とで、ホームレスのおじさんおばさんのごはんをつくったりしました。まず1日目は松本さんがきてスライドを見ました。スライドの中には死んでしまったおじさんたちが写っていました。火葬されてもほとんど人間の形に骨が残らないほどばらばらになっている人のスライドもあり私はびっくりしました。栄養が足りないと骨までボロボロになってしまうだと思いました。おじさんがはなしてくれた話は私にはむずかしかったけれど、とてもためになる話だったと思いました。次にお仕事がありました。それは次の日にするもちつきのもち米を洗うことです。はじめのうちは楽しくできたけれど、水で洗っていたので手が動かなくなってきて、冷たさでいたくなってきたところで先輩達がかわってくれるといったので、かわってもらいました。ばんごはんを食べた後、ホームレスの人達がいる公園へとし子先生達と行きました。まず、公園に着いておどろかされました。なににおどろかされたかというと、ホームレスの人達の人数におどろかされました。もっと少ないと思っていたのに公園がうめつくされるほどの人達の人数で、たき火までおこっていて、すこしにおいが気になったけれど、それもすぐになれて、お茶をくんだりしました。
 2日目には、おもちつきをしました。はじめはおじさん達がついてくれたおもちをちぎってあんこときなこをつけてふくろいれていったけれど、としこ先生がおもちをついてみたら?といったので、私はおじさんにおしえてもらいながらおもちをつきました。すぐにおじさんにかわってもらったけれど、おもちつきもとても楽しくてよかったです。また夜になり公園へ行きました。お茶をおじさんにくばる係になり、おじさん達に声をかけながらお茶をくばっていたけれど、お茶はいらないっていうおじさんがおおくて、ちょっとかなしかったけれど、やっぱりお茶をもらってくれるおじさんがいると、私の心もうれしくなりました。
 帰る時間には、すぐなってしまい「おもしろいから、もっとやっていきたいのに!」と思ってしまったりもしましたが。家に帰り、次の日はどんなことをするのだろうと考えながらねました。三日目は、福信館についたらすぐに、ふとんをほす事になりました。ふとんはおもくてイヤだったけれどほしおわったら部屋がさっぱりしました。それから部屋のそうじをしました。私はそうじきをかけました。そうしたら神父さんが「はくさいを切ってくれ」といったので、わたしは、水谷さんと鳥居さんといっしょにダンボール箱いっぱいのはくさいを四つに切り外に干しました。干してあったふとんがきもちよさそうだったので、水谷さんといっしょにふとんにのったら、ふかふかしていて、すごく気持ちよくてねてしまいそうでした。それからみんなで部屋にあつまり、ホームレスをしている人とホームレスだった人のお話をききました。リストラなどや事故により働かしてもらえなくなってしまったなどいろいろな話をしてくれました。私は「このおじさんたちもさびしいんだろうな」と思いました。こんどからは私がおじさん達にあったら声をかけてあげようと思いました。わたしがはじめて福信館にきた時は、ホームレスの人たちは自分たちのせいでホームレスになってしまい、それなのに、みんなの遊び場の公園にかってに住んでしまい、国がたすけてくれないから、どーとか、こーとかいっているのはしんじられないという気持ちだったけれど、たきだしをおえてからは私の気持ちはかわりました。ホームレスの人達は働きたくても働けなくてかわいそうな人達で、ああいう人達がいないと私たちの遊べる公園はないんだということがわかりました。これからもホームレスのおじさん、おばさんがんばって下さい。今年のたきだしがあればいきたいと思っています。


ボランティアの感想 by 鳥居久美子

 12月27、28、29日のボランティアに参加していろいろ学ぶことができました。
 今まで、ホームレスの人たちを、汚い目で見ていたけど、ボランティアに参加して、みかたがぜんぜんかわりました。
 1日目に、おじさんの話と、スライドを見たり聞いたりしました。スライドは、目をつぶりたくなるものも中にはありました。野宿しているからといって、おじさんたちも私達と同じ、にんげんなので、そうかんたんに殺してはいけないと思いました。おじさんたちの生活は、本当に苦しくて、死体が火葬されたものをみると骨がすかすかでどこがなにかまったくわかりませんでした。私達がイブの日に歌を歌った所でも、たくさんの野宿労働者の人が亡くなっていることもわかりました。けど、そういうことをつくりだしているのは、おじさんたち本人じゃなくて、私達だということを聞かされ、けっこうショックを受けました。おじさんたちのケガは毎日たえないような気がします。それは、私達が理由もなくおじさんたちをいじめるからです。こういう話を聞いて、おじさんたちじゃなく、私達が社会をなおさないといけないなと思いました。
 28日の日は、朝からもちつきをみんなでやりました。もちつきはおじさんたやおばさんたちもみんなでたのしくやりました。おじさんたちはとってもたのしそうでした。そのおもちはオケラ公園という所で、おじさんたちの食料となりました。私達(戸田さんと水谷さん)は、my carといって、台車であそんだりしていました。みんなからこけないように気を付けてねと言われたのに、水谷さんが落ちてしまって大笑いしていました。
 もちつきは、朝からやったのに、おわったのは夕方ぐらいでした。手伝うとはりきっていたけど、おじさんたちの迫力にあっとうされていました。おもちは、やわらかくて、とてもおいしかったです。私達の仕事はおもちをだいたいのおおきさにわけて、きな粉やあんこをつけてふくろに入れる作業をしました。それから、オケラ公園に行きました。そこにはあっとうされるくらいのホームレスの人達がいました。最初は、ただぼうぜんとしていることしかできませんでした。おじさんたちのにおいは、想像以上に鼻をつくにおいでたえられないぐらいでした。けど、やっぱり人には、なれというものがあるので、気にならなくなりました。その日私は、かみの毛を2つにむすんでいて、お茶くばりをしていました。そしたら、うしろからかみの毛をおもちゃにして遊んでくる人がいました。最初はびっくりしていたけど、ひとなっつこい人だなと思いました。となりでいっしょにお茶くばりをしていた南山高校の人が「そんなに気にしなくてもいいよ。あの人いつもそうやっていろんな人にちょっかいだしてるんだよ。」と言ってくれました。その人はけっこうたのしい人たちでした。知っているおじさんが目の前をとおると、「あっ、おれきのうあの人に説教された」とか、いろんな笑える話をしてくれました。ほかにも大学生の人で、ニット帽をかぶっている人はとっても楽しい人で私達のmy carで、いっしょに遊んだりしていました。そして、このセミナーの計画をたてた、槌谷くんという人は私達の間では、「兄さん」と呼ばれていました。なんか、お兄さんみたいで、中学生にも気を使ってくれていました。
 29日の日は、反省会がありました。反省会は一人づつ言うところがあるのできん長しました。とちゅうで、自分が何を言っているか、わからなくなって、ニヤニヤとしてしまいました。神父様と、ホームレスのおじさん二人が、いろいろな話をしてくれました。事故をしてしまって、どうしても仕事をやめなくてはならなくて、野宿になった人や自分の会社がとうさんして、野宿しなくては、ならなくなる人が多いとわかりました。このセミナーに参加して、いろいろなことが学べてよかったと思いました。
 トンコ先生は、おじさんやおばさんたちととても仲がよくニコニコと、話をしていました。私は先生を見て私もおじさんたちと仲良くなりたいなと思いました。
 来年もしくはまた、たき出しがあるのならぜったいに行きたいです。
 高校生や大学生の人達の中に入るのは、とてもむつかしいけど、やさしい人たちばっかりで、よかったです。


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