'97年度福信館炊き出し活動報告


  1. 年間炊き出し

     週2回月・木の炊き出しは、従来のように月はプロテスタント教会(日基教団、ルーテル教会、聖公会、名古屋炊き出しの会)の担当、木はカトリック教会と分担して行いました。カトリック教会では炊き出しの下拵え、片付けを教区内12教会、1女子修道会がローテーションを組みこなしました。各教会とも高齢化にあり先への不安がありましたが、新しい人の参加も徐々にあり展望が見えてきました。夜の運搬・給食活動は、これまでのメンバーをはじめ神言会神学生、昨年以来の南山大学のボランティアサークル(アバンギャルド)のメンバーを合わせ毎回20名前後参加し活況を呈するようになりました。サークルは学内での講演会や「寄せ場交流会」釜ヶ崎訪問、等活発に行っています。
     長引く不況下、ホームレスの増加に反し寄付が減り、それまで、米を購入することはなく献米のみで足りていましたが、二回計1、000kgを買うことになりました。しかし、年末より持ち直し、米も足りるようになりました。
     平成大不況で大量の失業者が生み出されつつあります。それにともない、ホームレスの増加は必死であります。懸案の炊き出しのあり方を1ヶ所集中路上給食から分散少量食堂給食への移行を考えるべき時になりました。ホームレスを迎えられる小教区へ脱皮したいものです。

  2. 越冬炊き出し

     第23回越冬(97、12・27〜98、1・5)の夕食に名古屋炊き出し連絡協議会として協力しました。カトリックでは12・30、31、1・2、4の4回を女子修女連と一宮教会が担当しました。越冬準備として宣伝と資金作りを兼ねて、12月の毎金曜日朝6時から笹島にある中職安前で中古衣類バザーを行いました。また、ホームレス問題の理解と協力を求めて「越冬セミナー」を12・27〜29に開催しました。聖霊高校の生徒25名をはじめ延べ35名の参加者がありました。今回は企画から実施まで大学生が建て、今までとは違った新鮮なセミナーになりました。

  3. 衣類提供

     月曜日から土曜日まで、着替えの必要な人たちに衣類を提供しています。提供される衣類は、全国から寄贈される中古衣類が主になります。しかし、下着類はどうしても需要が多く買い足さなければなりません。さて、寄付される中古衣類は季節に合わなかったり(倉庫が手狭のため保管できない。)、汚れがひどかったり、古すぎたりして残念ながら三分の二は廃棄処分せざるをえません。イエスの言葉を思い起こしたいものです。「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」(マタイ7、12)

  4. 風呂、洗濯サービス

     月、木の週2回入浴したい方や洗濯の必要な方に風呂と洗濯機の提供をしています。その世話係はホームレスの方にお願いしています。利用者と話を交わせる場にもなっています。利用する方が増え、順番待ちの人が列を作っています。風呂サービスは「臭い」「汚い」と敬遠されることの解消につなり、また、洗濯は、ただ、着替えを貰えるからと使い捨てから、洗濯して大事に使おうと前向きの姿勢に繋がるのではないかと思います。さらに、利用者と私たちの出会いの機会ともなっています。

  5. 農作業、人材交流センター

     農作業は、毎週一回の高蔵寺と毎月一日一泊の中農教会で行いました。収穫は、玉ねぎ、ジャガイモ、里芋、大根、長ネギがあり、炊き出しの材料やバザーの商品になりました。畑仕事は天候に左右され、計画通りにはならないことが度々あります。素人見にも、農業の困難さがヒシと感じられ、米や野菜の貴重さが実感されます。  カトリック教会関係者の好意により、草刈り、片付け、軽作業、運搬、等の仕事を斡旋していただきました。数はまだまだ少ないですが、ホームレスの人たちの小遣いになったり、喜ばれたりして、有意義な一時になっています。

  6. バザー

     炊き出し活動を支える収入の約三分の一となり、また、内外に炊き出し活動を知らせるバザーは5月と11月の2回行いました。バザーには多くの時間と労力が必要ですが、窓口をはじめとする女性スタッフ、ホームレスの人たち、ダルクメンバーの協力のおかげで不足しないでいます。
     恒例のチャリティーコンサートを11月21日布池文化センターセシリアホールにて開催、今回は弦楽四重奏とチェンバロの演奏でした。約150名の方が来聴しました。

  7. 高齢者アパート基金

     高齢者・病弱者、あるいは、就職希望のホームレスの方にアパート入居資金、家賃の貸し出しのため95年創設した基金です。今年度は3名の方に貸し出し、延べ11名になりました。その内2名は生活保護を受給でき、1名は就職しました。

  8. シンポジューム

     ボランティア、ホームレス、一般市民の三者が各々ホームレス問題をどう考えているのかを知ろうと名古屋炊き出し連絡協議会が主催。12月6日東別院会館にて約60名参加、活発な話し合いがもたれ継続することになりました。

  9. 錬成会

     4月1日〜2日、名古屋教区高校生会の錬成会が炊き出しに参加し、ホームレスの方たちと話し合う機会を作りました。高速道路の下で野宿生活をしているホームレスのおじさんたちに集まっていただき、ぜんざいを食べながら、おじさんたちから野宿生活のつらさや、に至った経過を聞き、また、寝起きしている小屋を見せてもらったりしておじさんたちとの距離が少し縮まったのではないかと思います。


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