今回より、炊き出しに関わっている教会の窓口の方から、その感想を話していただくことにしました。(窓口とは、炊き出しのボランティアをまとめてくださる各教会の担当者です)

「炊き出し」と私

カトリック東山教会 松坂美幸


 人手が足りないと聞き、月一度の食器洗い位ならと軽い気持ちで福信館に通い始めたのはちょうど2年前の梅雨時でした。全く何も知 らないまま、ただ食器を洗い終わればさっと帰るということを数ヶ月続けていました。そして春が来た頃、窓口会へ初めて代理として出 席したのですが、そこで炊き出し部の世話係とやらを引き受けてしまいました。数日が経ち、段々大変なことを引き受けてしまったと後 悔した時はもう遅い。私はこういう失敗(?)をよくする人です。炊き出し部の大事な資金源であるバザーの会計も、こんな粗忽者だか らこそ引き受け、気が付けば計算機片手にお財布を握りしめていたのです。
 そして二度目の春が来て、今年の春のバザーも竹谷神父様の暖かくそして大きな指導力、各方面の皆さんの努力、おじさん達の協力、 そして神様のお恵みに支えられて無事に終了することが出来ました。
 最近、人見知りの私にもやっと辺りを見渡す余裕が出来てきて、窓口会の方々、そしてほんの少しですがおじさん達ともお話しするこ とが出来るようになってきました。一人のおじさんが、昔の自分の仕事の話をして下さった時のその自信に満ちた様子は、人間にとって 本当に大切なこと、必要なこと、ただ食事の準備をするだけでは余りに淋しいということなど、ぼんやりした私にも感じさせてくれまし た。私が心の扉をちょっぴり開けてみたら、人の暖かい心も見えるような『感じ』になってきた最近の私です。


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