おじさんたちの農作業


 長年の炊出しを続けて来て、炊出し場所の時間的・空間制限では、給仕するだけが精一杯という中で、炊出しの本来の目的である「出会いと交わり」を作り出すことに困難を覚えていました。
 しかし、何とか具体化できないかと思案していました。もう少し、野宿生活者たちと知り合いになりたい、話を聞きたい、力になれたらと。又、場所、協力者も得られてスタートしました。

 まだ、始めたばかりですが、彼らと作業しながら、又、飯を食いながら、互いに近付き、語り合うことができるようになりました。さらに、これは、おまけですが、仕事にあぶれ、日永一日独りぼっちで小銭も食べ物にも不自由して、所在無く過ごす他ない野宿生活者たちに、いられる所、汗かく事、生きがい、を提供する機会にもなっています。
 1996年6月24日、昨冬、植えた玉葱が大きく実り大喜びの収穫がありました。おじさんたちのコツコツと労働した結果が、早くから列を作り腹を空かした自分たちの仲間のホームレスの炊出しの材料に使われることは、彼らには、喜びであり誇りでもあります。

つづく


戻る