「13,6・5シンポジウム 『憲法と基本的人権の問題について』報告 パネラー長峯信彦(愛大教授) ペ・ミョンオク(弁護士) キム・ボンス(歴史研究家)」




  憲法は「水や空気」のようなもの。憲法学者の長峰さんは、ミサを祝うこと、学習会や講演会に行けること、また、恋愛することも憲法が国民に基本的人権を保障しているからこそ出来る、と指摘。国民が人として生きられる当たり前のことが出来るように憲法は国家権力にそれを課せている。ところが、その「空気や水」を与えられず、不当に扱われている現実がある。朝鮮人学校に通う在日朝鮮人学生だ。日本政府は高校授業料無償化を実施したが、朝鮮人学校には適用しなかった。北朝鮮との政治的問題が理由とされる。けれど。無償化は政治問題ではない、日本国に生きるすべての人の「水や空気」として誰もが受ける権利だ。日本の朝鮮侵略以来、在日朝鮮人は無償化だけではなく政治・経済・社会的に差別され、搾取され続けている。納税の義務こそあれ参政権はない。今また、ヘイトスピーチデモに子どもたちは怯え苦しめられている。「水や空気」ではなく「恐怖と憎悪」を日本社会は在日の子どもたちに与えている。在日の子どもたちの立場を知ってください、と。

 「水や空気」だとは憲法について考えたことがなかった。在日として戦中・戦後を生きられた金ボンスさん、幼少時、学校で虐められ、差別されたけれど、もっとひどい虐待を受けた朝鮮人強制連行者のことを知った。それ以来、歴史を掘り起こし風化させないよう活動を続けている。

 今回のシンポでは、憲法が「水や空気」、あって当たり前。ところが、在日朝鮮人にはそうではないことを教えられ日本人として恥ずかしく思った、同時に、差別・不平、権利侵害等が憲法改正により更に公然とされて行くことに気づかされた。

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